保護猫ってどんな猫?
2025.04.30
2025.04.30

地域猫の耳がカットされる理由は?耳のカットに関わる大事な背景を解説!

猫が街角で見られる光景は、微笑ましいのと同時に困りごとの種にもなり得ます。殺処分数の増加や住民同士のトラブルを回避するために「地域猫」という取り組みが注目されるようになりましたが、その一環として“耳をカットされた”猫を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。

この記事では、地域猫活動が求められる背景と、その中で重要な役割を果たすTNR活動、さらには耳カットが示す意味を詳しく解説していきます。

目次

地域猫の耳がカットされている理由は?

屋外にいる猫の姿をよく見ると、耳の先が小さくカットされている場合があります。これは「さくら耳」「耳先カット」などと呼ばれ、主に避妊・去勢手術を受けたことを外見からわかるようにするための目印です。

わざわざ耳をカットしているのは、同じ猫に繰り返し手術を行わなくて済むようにするためです。また、猫を捕獲しなくてもひと目で手術済みの個体かどうかがわかるので、地域のボランティアや獣医師の負担を減らす効果も期待されています。

猫は耳をカットされていたくないのか?

耳先カットは獣医師によって手術時に実施されます。手術は避妊・去勢の麻酔中に行われるため、猫が激しく痛みを感じることは少ないとされています。傷口には適切な処置が施され、術後の経過観察により健康状態を確認するなどのフォローも行われます。

動物病院によっては耳先を小さくV字に切る、あるいは丸くカットするなど方法が異なることがありますが、いずれにしても猫が必要以上に苦痛を感じないよう細心の注意が払われています。麻酔が切れたあとも、外科手術の一環としてしっかり処置されていれば大きなトラブルは起こりにくいとされています。

右耳がカットされている猫と左耳がカットされている猫の違いは?

地域によっては、オスとメスを見分けやすくするために、オスは右耳、メスは左耳をカットするという運用を取り入れているケースがあります。

ただし、このルールは全国一律で定められたものではなく、自治体やボランティア団体ごとに異なるのが実情です。たとえばオス猫は左耳カット、メス猫は右耳カットといった逆のパターンや、オス・メスでカット方法を変えずに統一している地域もあります。特に決まりがない場合は、作業に携わる獣医師や保護団体同士で相談して決定していることが多いようです。

そのため、耳カットの向きだけで性別を断定するのは難しいかもしれませんが、地域ごとのルールを知っておくことで、耳のカット位置から猫の性別や手術歴を推測する手がかりになります。

地域猫の耳カットに関わるTNR活動とは

地域猫の耳先カットと深い関係があるのが、TNR活動です。TNRとは「Trap(捕獲)」「Neuter(避妊や去勢手術)」「Return(元の場所に戻す)」の頭文字を取った略称であり、繁殖を抑制しながら、もともと暮らしていた地域に猫を返すことで殺処分やトラブルを減らす取り組みとして広く浸透しています。

TNR活動は、猫と人間が共存できる環境を作り出すために不可欠な存在です。地域やボランティアが協力し、避妊や去勢手術を受けさせた猫の目印として耳先カットを実施しているのもこの活動の一環になります。

TNR活動に関わるメリット

TNR活動によって増えすぎる猫の数を抑えることは、人々の暮らしを守るだけでなく、猫自身にも大きなメリットをもたらします。地域猫活動が普及している地域では、猫が安全に暮らせる環境が整い、過激な対立が起こりにくくなるという好循環が生まれています。

殺処分数の減少

日本の動物愛護センターで殺処分の対象となる猫の多くは、飼い主がいない野良猫や飼育放棄された猫たちです。こうした不幸を少しでも減らすために、地域猫活動ではTNRを徹底し、繁殖をコントロールしています。繁殖力の高い猫を放置していると、あっという間に次々と子猫が生まれ、結果的に行き場をなくす猫が増えてしまいます。

地域猫活動によって確実に避妊や去勢手術を行い、殺処分せざるを得ない猫の数を抑えることができれば、その街の動物愛護意識が高まるだけでなく、住民同士も「猫を大切にする文化」を共有しやすくなるでしょう。猫をひとつの命として考える風潮が広がれば、飼い主のいない猫たちを取り巻く環境も大きく変化していきます。

地域の衛生環境改善

野良猫が増えすぎると、糞尿の始末やゴミの散乱といった問題が深刻化します。特に餌やりを無秩序に行う人がいる地域では、餌の食べ残しが腐ったりすることで不衛生な場所ができてしまい、害虫や悪臭の原因にもなります。地域猫活動では、決まった場所で正しい方法で餌を与え、食べ残した餌の処分や管理も行うため、こうした問題が大きく軽減されるのです。

さらに、去勢済みの雄猫はマーキング行為やスプレー行動が少なくなる傾向があるため、独特の強いニオイが街中に充満してしまう状況も起こりにくくなります。結果として、街を清潔に保つことができるだけでなく、動物や人にとって快適な環境づくりにつながります。

地域猫と共生するために今できること

猫と人が共存する社会を実現するためには、地道な活動と継続的な支援が欠かせません。大がかりなボランティアには参加しづらい人でも、身近なところから行動を起こすことで活動全体を後押しすることができます。

SNSでの情報拡散

多くの人はまずインターネットやSNSで地域猫に関する情報を探すでしょう。信頼できる保護団体やボランティアが発信している活動報告、寄付金の使い道などの情報を見かけたら、シェアやリツイートで広めるだけでも大きな力になります。SNS上で同じ関心を持つ人と情報交換することで、活動への理解が深まったり、参加のハードルが下がったり、疑問や不安を取り除くヒントが得られることもあるでしょう。

特に、同じ地域で活動しているボランティア団体や行政の取り組みを紹介することで、多くの人の目に留まり、新たな協力者が増えるきっかけにもなります。こうした情報の拡散は、費用もかからず誰でもすぐに始められる支援のひとつです。

保護団体への物資協力

地域猫の世話をするうえで、キャットフードや猫砂、捕獲器、ケージなど、必要な物資は数多く存在します。ボランティアや保護団体は寄付金だけでなく、こうした物資の提供を心から歓迎しています。使わなくなったケージや余ってしまったフードがあれば、活動団体に問い合わせてみると喜ばれる場合もあります。

物資協力は直接的な金銭支援と違い、「手元にあるものを有効活用したい」という気軽な気持ちで始められるのも利点です。物資提供が増えれば、その分だけ団体が資金を手術費や医療費に回せるようになるため、トータルで見れば活動の幅を広げることにつながります。

寄付の呼びかけ

地域猫活動の現場が深刻に悩む資金不足を解消するには、やはり寄付という形での協力が大きな支えになります。寄付をした経験がないという人も、一度少額からでも試してみると、そのお金が手術費や餌代として具体的に使われていることを知り、実感を得られるかもしれません。

まとまった資金が集まれば、より多くの猫たちに避妊や去勢手術を行えるだけでなく、医療面のケアも手厚くできます。周囲に地域猫活動に興味を持つ人がいれば、一緒に寄付先を探したり、SNSで寄付の呼びかけをしたりするのも効果的です。結果的に猫の数が適正に保たれ、街中に暮らす猫と人が安心して過ごせる環境をつくるためには、こうした小さなアクションを積み重ねることが重要になってきます。

まとめ

地域猫の耳がカットされているのは、適切に避妊や去勢手術を受けて繁殖を抑えている証拠であり、TNR活動の象徴ともいえます。

また、耳先カットは「地域で守られている猫」というサインであり、周囲の人々の理解と協力を得ながら、これからも猫と人が共存する社会を築いていく大切な一歩となるでしょう。

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