保護猫ってどんな猫?
2025.06.30
2025.06.30

動物愛護法改正の裏で

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動物愛護法――ご存じの方、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
2013年の法改正により、保健所はペット販売業者からの犬や猫の引き取りを拒否できるようになりました。売れ残った犬や猫が保健所に持ち込まれることがなくなり、それまで“処分”という選択肢しかなかった現場にとって、その前段階で‟拒否ができる”ようになったことは大きな進歩です。
しかしその一方で、新たな問題も生まれています。

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保健所への持ち込みができなくなったことで、売れ残った犬や猫を有料で「引き取り業者」に引き渡したり、繁殖の役目が終わった犬や猫を引き取りにも出さず山に遺棄するという悲しい例もあります。
また、一部の「引き取り業者」の中には、利益のためだけに動物を扱い、劣悪な環境で放置するような業者も存在します。その結果として起こる問題のひとつが多頭飼育崩壊です。

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今回、チームメンバーの「funnyCat&Dog」代表松木さんが保護したのはチンチラ系の長毛の猫たち。30匹の猫たちが多頭飼育崩壊の現場から動物愛護相談センターに保護され、そのうち6匹を「funnyCat&Dog」松木さんが引き出しました。
引き出した猫たちは子猫ではないにも関わらず、とても痩せて小さかったり、手入れがされていないため毛玉がひどかったり、みんなとても汚れていて現場の悲惨さが伝わってきました。

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劣悪な環境での生活は、猫たちの体にも心にも深い傷を残します。
栄養状態が悪かったため、平均的な体格よりもずっと小さい猫たちは、出産するときに、子猫が生まれても育たなかったり、死産になってしまうなどのリスクもあります。

また、人との関わりがほとんどない状況から保護された猫は強い警戒心を持っていることも多く、人と接することに慣れておらず、触れられることが苦手です。

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猫たちはこれから少しずつ人に慣れてもらい、健康状態を整えて準備が整ったら保護猫カフェへデビューする予定です。

猫たちはモノではありません。ひとつひとつの命には過去があり、そして未来があります。その未来が少しでも穏やかで、幸せなものとなるように私たちはこれからも活動を続けていきます。どうぞ温かな応援をお願いいたします。

この様子をもっと詳しく知りたい方は、ぜひこちらの動画をご覧ください。

⇒ ピースニャンコTV(11分32秒)

【引き取り拒否】動物愛護法の“落とし穴”でブリーダー?に山に捨てられる子猫たちが悲惨すぎた【多頭飼育崩壊現場からの記録】#保護猫 #保護猫
売れ残った動物を買い取って、転売したり、劣悪な環境で放置する—そんなことが動物愛護法が改正された裏で起こっています。今回保護した長毛の猫たちもそんな一例だったのかもしれません。最近は「保護犬・保護猫」が注目されることも多くなり、売れ残った猫たちを「保護犬・保護猫」として高額手数料を取って譲渡するケースも報告されています。

動物愛護法の改正は、動物の福祉向上に向けた重要な一歩ですが、その運用には慎重な対応が求められます。特に、買取業者や「保護犬・保護猫」ビジネスの問題に対しては、社会全体での意識向上が必要です。動物を迎える際には、その背景や譲渡元の信頼性を確認することが重要です。


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