愛猫との暮らし方
2025.01.10
2025.01.14

『野良猫』の保護はどこに依頼するべき?相談できる団体と注意点を解説

『野良猫(飼い主のいない猫)』を見つけたとき、どのように行動すればよいのか迷う方は多いのではないでしょうか。この記事では、野良猫の保護を検討している方のために、野良猫を保護する際の具体的な方法と注意点をわかりやすく解説します。正確な知識と適切な行動で、猫の命を守る一歩を踏み出しましょう。

目次

野良猫の保護を依頼できる団体

野良猫の保護を相談および依頼する場合、以下の選択肢があります。

自治体への相談

動物愛護センターや保健所は、地域の動物問題への窓口となります。

  • 連絡方法:自治体の公式ウェブサイトで窓口を確認しましょう。
  • 伝える内容:猫の場所、状態、発見時刻などを詳細に説明します。ただし 自活できる猫は、保護の対象にならない場合もあります。
  • 注意点:対応内容は自治体ごとに異なるため、事前に確認が必要です。

ただし、行政が野良猫の保護について対応してくれるのは、自活できない猫(衰弱している、大ケガをしているなど、放置したらその場で死んでしまう)や、外から庭にやってきて糞尿をするなどの被害が出ている場合などに限られます。「飼い主のいないかわいそうな猫がいる」と相談しても、基本的には保護してもらえないことが多いようです。

また、自治体によっては、TNR活動(※)や新しい家族を募集する支援等もおこなっています。事前に自治体の動物愛護政策を調べると、よりスムーズに相談できます。

※)野良猫を捕獲し、避妊去勢手術をおこなった後に元の場所へ戻す活動のこと

動物保護団体に連絡

地域の動物保護団体は、野良猫保護における専門知識を持っています。

  • 探し方: 
    • 「地域名 + 動物保護団体」で検索
    • SNSや地域のコミュニティで口コミを確認
  • 問い合わせ内容:猫の状態、発見場所、緊急性を具体的に伝える。

一部の保護団体では、捕獲器の貸し出しや獣医師の紹介などもおこなっています。緊急性が高い場合は、団体が提供するホットラインを利用するのもよいでしょう。

さらに、保護団体によっては譲渡会を開催し、保護した猫に新しい家を見つけるサポートをおこなう場合もあります。地域のイベント情報を確認してみてください。

動物病院に相談

ケガや病気が疑われる場合、動物病院が最も適切です。

  • ポイント:緊急性を伝え、診療費についても事前に確認しておく。
  • 診察内容:感染症の有無や緊急処置が必要かどうかを確認します。

動物病院を利用する際は、地域の動物愛護団体が提携している病院を選ぶと費用を抑えられる場合があります。

また、初診時に猫の詳細な観察記録を持参することで、診察がスムーズに進みます。動物病院は飼い主のいない猫を保護する場所ではないので、診療を依頼した方が責任を持って引き取る覚悟で連れて行きましょう。

野良猫の保護を依頼する際の注意点

野良猫の保護を団体に依頼する場合、知っておくべき注意点もあります。ここでは保護を依頼する際の注意点を紹介します。

自治体に引き取られた猫は飼い主が見つからない場合は殺処分に

自治体が引き取り保護された猫は、一定期間内に飼い主や新しい飼い主が見つからない場合、殺処分される可能性があります。この期間は、地域や自治体によって異なりますが、保護された猫の状態によっては数日から1週間程度で判断が下される可能性もあります。自治体に依頼する前に、その方針や引き取り条件について確認することが重要です。

保護してくれる団体も限られた予算・人員で取り組んでいる

動物保護団体やNPOは、基本的に寄付やボランティア活動に頼って運営されています。そのため、団体が引き受けられる猫の数には限界があります。また、医療費や飼育費などのコストがかかるため、保護団体は優先順位をつけて活動せざるを得ないことが多いです。

特に、病気やけがを抱えた猫の場合、医療費が膨らむため、依頼を引き受けられないこともあります。保護を依頼する際には、こうした背景を理解し、可能であれば寄付や支援物資の提供を行うことで、団体の活動を支えることも必要です。

保護依頼にも費用が掛かる

野良猫の保護を依頼する際には、医療費、避妊去勢手術費用、ワクチン接種費用、そして食事や生活環境の準備費用などが発生します。これらは、依頼主が基本的には全額負担するつもりで依頼しましょう。

たとえば、保護団体に依頼する場合は、初期医療費として1万円から3万円程度が必要になることもあり、さらにさまざまな諸経費も必要になります。また、自分で保護する場合でも同様の費用がかかるため、事前にその負担を考慮し、必要に応じて資金を準備することが大切です。

野良猫を保護する際に確認すること

ここからは、自力で野良猫を保護する場合についての説明をします。まずは安全に猫を保護するために、また自身の安全を守るために以下のポイントを確認しましょう。

「野良猫」か「飼い猫」かを見分ける

野良猫と思っても、実際には迷子の飼い猫である場合があります。野良猫か、飼い猫かを見分けるポイントは、以下を参考にしてください。

  • 首輪の有無:首輪に飼い主さんの名前や連絡先が書かれていないかを確認しましょう。首輪が無くてもマイクロチップが埋め込まれている可能性もあります。
  • 健康状態:毛並みが整っている、体格が良い場合は飼い猫の可能性が高いです。
  • 人に慣れているか:警戒心が少ない猫は飼い猫である可能性があります。

飼い猫の可能性がある場合、近隣での聞き込みやSNS等を活用して迷い猫情報の発信をおこないましょう。地元の掲示板や動物病院でも迷い猫情報が見つかることがあります。さらに、自治体が運営する迷子動物のオンラインデータベースを活用するのも有効です。

健康状態を観察する

猫の体調を把握することが重要です。

  • ケガや病気が見られる場合:速やかに動物病院や専門家に相談しましょう。
  • 子猫の場合:親猫が近くにいる可能性があるため、一定時間観察することをおすすめします。ただし、長時間放置すると危険な場合もあるため、状況を見極める必要があります。

健康状態の観察には、以下のチェックリストを活用できます

  • 猫の目に濁りや炎症がないか
  • 口周りや耳に異常がないか
  • 歩き方に不自然さがないか

安全な場所に誘導する

猫が危険な場所(交通量の多い道路や工事現場など)にいる場合、安全な場所に誘導することが必要です。無理に抱えようとせず、おやつを見せるなどして静かな動きで移動を促しましょう。

場合によっては、地域のTNR(後述)の専門家に協力を仰ぐことも効果的です。捕獲器を利用するなどして、猫のストレスを最小限に抑えるために慎重におこないましょう。

また、猫を安全に移動させる際には、キャリーケースや専用のケージを使うとよいでしょう。布や毛布で覆うことで猫のストレスを軽減できます。

直接触らない

野良猫は警戒心が強く、突然攻撃されることがあります。そのため、捕獲する場合、以下の2点を留意しましょう。

  • 捕獲器を使用して安全に捕まえる
  • 感染症対策として手袋や長袖を着用する

さらに、猫が噛みついたり引っかいたりした場合は、速やかに医療機関で診察を受けましょう。感染症のリスクを最小限にするためにも、早急な対応が必要です。

無理に捕まえない

猫がパニックを起こさないよう、時間をかけて対応することが重要です。

  • おやつや水を使って猫を安心させる
  • 猫が自分から移動するのを待つ

時間がかかる場合は、明け方や夕方に行動する猫の習性を活用し、暗く静かな環境で捕獲することが効果的です。捕獲する際には、捕獲後すぐに猫が安全に過ごせる場所を準備しておきましょう。

野良猫を保護した後に行うべき対応

野良猫の保護に成功した後の対応をみていきましょう。

健康診断を受ける

まずは動物病院で健康状態を確認しましょう。

  • 検査内容:感染症や寄生虫の有無、栄養状態の評価
  • 費用負担:助成金や支援制度が利用できる場合があります。

さらに、獣医師からのアドバイスを元に、必要なケア用品(薬、特別なフードやおやつなど)を揃えましょう。また、猫が不安を感じやすい場合には、フェロモン製品や専用のストレスケア用品を使用するとよいです。

安全な居場所を確保する

保護した猫を落ち着かせるため、一時的な居場所を用意します。

  • ケージや段ボール箱を利用
  • 水と消化に優しい餌を提供

猫の行動範囲を限定することで、ストレスを軽減できます。また、猫用トイレや安心できる毛布も設置しましょう。多頭飼育が必要な場合は、仕切りや個別スペースを確保することも重要です。

野良猫問題の根本的な解決策

野良猫の保護は緊急的な対応ですが、根本的な問題を解決するためには地域全体での取り組みが必要です。

TNR活動の推進

TNR(Trap-Neuter-Return)は、野良猫を「捕獲」し、「避妊去勢手術」をおこなった後に「元の場所へ戻す」活動です。

  • メリット:繁殖を抑制し、野良猫の数を減らすことができます。
  • 参加方法:地域の動物保護団体や自治体が主催するTNR活動に協力しましょう。

また、TNR活動には地域住民の理解と協力が欠かせません。定期的な説明会や啓発活動を通じて、野良猫問題への意識を高めることが大切です。

寄付活動による支援

野良猫問題を根本的に解決するためには、猫の保護活動をおこなっている団体への寄付活動が重要な役割を果たします。寄付金は、動物保護団体が避妊去勢手術をおこなったり、医療費を負担したり、保護された猫たちの生活環境を整えるために使われます。

また、定期的な寄付やクラウドファンディングを通じて継続的な支援をおこなうことで、より多くの猫たちを救うことが可能になります。寄付を検討する際は、自分が支援したい活動内容や寄付金の用途、団体の信頼性を確認することが大切です。

まとめ

野良猫を保護するには、知識と適切な行動が必要です。正しい方法でおこなえば、猫の命を救い、新しい未来を提供できます。また、TNRや地域猫活動のような長期的な解決策を通じて、地域全体で問題解決を目指すことが重要です。この記事を参考に、小さな命を守るための最初の一歩を踏み出しましょう。

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