野良猫に引っ掻かれたときの対処法は?感染リスクのある症状や引っ掻かれる原因も紹介

野良猫に引っ掻かれた場合、迅速で適切な対応が重要です。傷口が感染しないように、まずは正しい応急処置を施し、症状が進行しないうちに適切な治療を受けることが大切です。
また、猫ひっかき病やその他の感染症に関する知識を持っておくことも重要です。本記事では、引っ掻かれた後の正しい対処法、症状が現れた際の対応、そして予防策について詳しく解説します。これらを理解して、もしもの場合にも冷静に対処できるよう備えましょう。
野良猫に引っ掻かれたときの応急処置法

野良猫に引っ掻かれたときの応急処置法は以下の手順です。
① 傷口を流水で洗う
② 出血を止める
③ 消毒する
④ ガーゼや絆創膏で保護
⑤ 異常があれば病院へ
野良猫に引っ掻かれた際は、まず傷口を流水でよく洗い流しましょう。これにより、細菌やウイルスの侵入を防ぐことができます。
その後、清潔なガーゼや布で傷口を軽く押さえ、出血を止めます。次に、消毒液(アルコールやヨード液など)で傷を消毒し、感染症の予防をします。消毒後は、清潔な絆創膏や包帯で傷を覆い、外部の細菌から守りましょう。症状が悪化しないように、傷口が腫れたり痛みが強くなった場合は、早急に病院での診察を受けることが重要です。
引っ掻かれた際に感染リスクのある猫ひっかき病について

猫ひっかき病の症状と治療法について解説します。どのような病気や症状、早期発見について理解しましょう。
猫ひっかき病とは?
猫ひっかき病は、野良猫やペット猫に引っ掻かれることで感染する細菌性の疾患です。この病気は、猫の爪に付着している「バルトネラ・ヘンセラ菌」が原因で発症します。
感染が成立すると、引っ掻かれた部位に痛みや腫れが生じ、その後、発熱やリンパ節の腫れなどの症状が現れることがあります。症状は通常、引っ掻かれてから数日内に現れ、感染者によっては、頭痛や倦怠感も見られることがあります。
猫ひっかき病は自然に治癒する場合もありますが、重症化することもあるため、症状が現れた場合は早期の治療が重要です。
参照:ネコひっかき病 – 16. 感染症 – MSDマニュアル家庭版
症状が現れたときに見られる兆候とは?
猫ひっかき病の症状が現れると、まずは引っ掻かれた部分に痛みや腫れが見られます。その後、数日以内に周囲のリンパ節が腫れ、発熱や頭痛が伴うことがあります。特に首や脇の下、腕の付け根など、引っ掻かれた部位に近いリンパ節に影響が出やすいです。
さらに、発疹が現れたり、倦怠感を覚えたりすることもあります。症状が進行すると、傷口周辺が化膿したり、膿が出たりすることもあります。こうした兆候が現れた場合は、猫ひっかき病の可能性が高いため、早急に病院での診察を受けることが重要です。
早期の発見と治療法について
猫ひっかき病も、症状が軽いうちに治療を始めることが重要です。引っ掻かれた後、数日内に発熱やリンパ節の腫れが見られた場合、猫ひっかき病の疑いがあります。この段階で適切な診断を受けることで、病状の進行を防ぎやすくなります。
治療法としては、抗生物質の投与が一般的で、早期に治療を開始すれば、症状は比較的早く改善します。
さらに、症状が重症化していない場合は、特別な処置が不要なこともありますが、治療を遅らせると合併症が発生するリスクがあるため、発症の兆候を感じたら早期に受診することが大切です。
その他感染リスクのある症状について
その他にも、猫による咬傷や引っ掻き傷が原因となる感染症には次のようなものがあります。
●パスツレラ感染症
傷口が激しく腫れて痛みを伴い、発熱やリンパ節炎、関節炎などが起こる場合があります。
●カプノサイトファーガ感染症
特に免疫力が低下している人に感染リスクが高く、敗血症など重篤な症状を引き起こす可能性があります。初期症状としては発熱、吐き気、筋肉痛などがあります。
●破傷風
傷口から破傷風菌が侵入すると、筋肉の強直や痙攣などの症状が現れます。ワクチン接種で予防可能ですが、感染した場合は早急な治療が必要です。
●疥癬症
ヒゼンダニという寄生虫が原因で、強いかゆみ、皮膚の赤み、発疹などの症状が特徴です。皮膚接触で感染するため、猫との密な接触時には注意が必要です。
参照:
厚生労働省|カプノサイトファーガ感染症に関するQ&A
済生会|パスツレラ症 (ぱすつれらしょう)とは
厚生労働省|破傷風(Tetanus)
国立感染症研究所|疥癬とは
受診が必要な場合、どこで診察を受けるべきか?

野良猫に引っ掻かれた後、受診が必要な場合は「皮膚科」または「内科」を受診するのが適切です。傷口の腫れや化膿がある場合、皮膚の感染症を診断・治療できる皮膚科が適しています。
一方、発熱やリンパ節の腫れなど全身症状が出た場合は、猫ひっかき病の可能性があるため、内科での診察が必要です。また、傷が深い場合や動物由来の感染症が懸念される場合は、総合病院の感染症科が選択肢となります。適切な診療科を選び、早めに受診することで症状の悪化を防ぎましょう。
野良猫に引っ掻かれる原因と危険性について理解しよう

野良猫との接触にはリスクがあります。以下で具体的なリスクに加えて、野良猫に引っ掻かれる原因と危険性も解説します。
野良猫と接触するリスクとは?
野良猫と接触するリスクは、思っている以上に多くあります。まず、野良猫は飼い猫とは異なり、衛生管理が不十分なことが多く、病気や寄生虫を持っている可能性が高いです。引っ掻かれることで、傷口からこれらの病原菌が感染するリスクがあります。
特に「猫ひっかき病」や「破傷風」など、感染症にかかる危険性があるため、接触時には十分な注意が必要です。また、野良猫は人に対して警戒心が強く、急に引っ掻くことが多いので、予防のためにも接触を避けることが重要です。
また、野良猫に触れたことでSFTS(重症熱性血小板減少症)に感染する例も地域を問わず増えており、野良猫を保護する際にも注意が必要です。
参照:国内のネコ・イヌにおける重症熱性血小板減少症候群の発生状況
野良猫に引っ掻かれる原因と危険性
野良猫に引っ掻かれる原因は、主に猫の警戒心や恐怖から来るものです。野良猫は人間に対して不安やストレスを感じやすく、予測できない動きや急な接近に反応して引っ掻くことがあり、引っ掻かれた傷口から感染症が広がるリスクがあります。
特に「猫ひっかき病」や「破傷風」、さらに猫が持っている可能性のある寄生虫や細菌が原因となることもあります。これらの感染症は放置すると症状が悪化するため、引っ掻かれた際には早期の対応が求められます。
野良猫に引っ掻かれないようにするための予防策

野良猫に引っ掻かれないためには、むやみに近づかないことが最も重要です。可愛らしく見えても、警戒心が強く、突然攻撃することがあります。特に、エサを与えたり、無理に触ろうとしたりすると、引っ掻かれるリスクが高まるので注意が必要です。
さらに、自宅周辺に野良猫が頻繁に現れる場合は、ゴミをしっかり管理し、食べ物の匂いを残さないことが効果的です。また、公園や駐車場など野良猫が集まりやすい場所では、むやみに手を出さず、距離を保つことを意識しましょう。野良猫との適切な距離を保つことで、引っ掻かれるリスクを大幅に減らせます。
まとめ:野良猫に引っ掻かれた場合の適切な対応と予防法
野良猫に引っ掻かれたら、迅速な対応が重要です。まずは傷口を流水で洗い、消毒液(アルコールやヨード液など)で殺菌しましょう。その後、ガーゼや絆創膏で覆い、症状の経過を観察します。
もし赤みや腫れが強くなったり、発熱やリンパ節の腫れが見られたら、猫ひっかき病の可能性があるため、速やかに医師の診察を受けることが必要です。予防策として、野良猫との不要な接触を避けることが大切です。正しい知識を持ち、万が一の際にも冷静に対処しましょう。
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