捨て猫は保健所に引き取ってもらえるのか?条件などのポイント解説

捨て猫を見つけた方や、さまざまな理由で猫の飼育が困難になった方のなかには、保健所や動物愛護センターなど自治体に引き取ってもらうことを検討している方もいるでしょう。そこでこの記事では、保健所で猫を引き取ってもらう場合のポイントや手続き方法などを解説します。保健所で捨て猫を引き取ってもらい、猫の安全を確保するための重要な情報がわかる記事です。ぜひ最後までご覧ください。
捨て猫を保健所に引き取ってもらえるのか

捨て猫を保健所に持ち込む際に知っておくべきポイントは以下のとおりです。
- 保健所に引き取ってもらえる猫の条件
- 保健所に引き取ってもらう場合にかかる費用
- 引き取られた捨て猫の処遇
上記のポイントを把握しておくことで、保健所に捨て猫を持ち込んだあとの手続きをスムーズに対応できます。
保健所に引き取ってもらえる猫の条件
大前提として、保健所は猫の殺処分を減らしたいと考えているため猫を引き取る条件はかなり限られています。一般的には飼い主が飼育継続困難な場合や迷子猫として扱われるケースが該当します。ただし、多くの自治体では安易な持ち込みを防ぐため、一定の条件を設けています。
例えば、環境省の「犬及び猫の引取り並びに負傷動物等の収容に関する指針」によれば、自治体は「飼い主がやむを得ない事情で飼育を継続できない場合」に限り引き取りを行うことが推奨されています。また、単なる飼育放棄は原則認められず、事前に動物愛護団体や里親募集を通じて新しい飼い主を見つける努力を求められます。
さらに、健康状態や攻撃性の有無も影響し、病気の猫や攻撃的な性格の猫は引き取りを拒否されることが一般的です。野良猫の子猫に関しても、自治体によっては「適切な時期まで育てることが困難な場合」に限り収容を行うとされており、保護団体との連携が推奨されるケースもあります。
このように、保健所が猫を引き取るには厳しい条件があり、基本的には新しい飼い主を探す努力を優先することが求められます。
保健所に引き取ってもらう場合にかかる費用
宮城県の保健所を例にすると、生後90日以内の犬・猫は一頭につき400円、生後91日以上の犬・猫は一頭につき2,000円の引取手数料がかかります。ただ、ケガや衰弱などすみやかな保護を必要とする状態の保護猫・保護犬は手数料負担がかかりません。
参照:宮城県|飼い犬・猫の引取りに関する手続き
引き取られた捨て猫の処遇
捨て猫を保健所に持ち込むと、多くの場合「譲渡対象」か「殺処分対象」に分けられます。健康状態が良く、人に慣れている猫は譲渡される可能性がありますが、すべての猫が助かるわけではありません。特に高齢猫、病気の猫は譲渡が難しく、離乳前の子猫を育てることは困難なので、殺処分されるケースもあります。では、どうすれば猫の命を救えるのでしょうか?
自治体の動物愛護センターや動物愛護団体では、保護猫の里親探しを支援しています。また、SNSや知人を通じて新しい飼い主を探す方法もあります。安易に保健所へ持ち込む前に、こうした選択肢を検討することが大切です。命をつなぐために、今できることを考えてみませんか?
保健所以外の捨て猫の引き取り先の探し方

保健所以外で捨て猫の引き取り先の候補として以下があげられます。
- インターネットなどを活用した里親募集
- 動物愛護団体の協力
- 地域の猫ボランティアに相談
上記の方法で引き取り先を探すことができます。
インターネットなどを活用した里親募集
猫の引き取り先を探す方法として、保健所以外に里親募集があります。では、どうすればよいのでしょうか?
まず、里親募集サイトを活用しましょう。「ペットのおうち」や「ジモティー」などのサイトに写真付きで掲載すると、多くの人に見てもらえます。次に、SNSを活用するのも効果的です。TwitterやInstagramで「#里親募集」「#猫のいる生活」などのハッシュタグを付けて投稿すると、猫好きな人に届きやすくなります。
また、動物病院やペットショップに相談すると、里親を探している人を紹介してもらえることもあるでしょう。チラシを作り、地域の掲示板に貼るのも一つの方法です。このように、複数の手段を組み合わせることで、より良い里親が見つかる可能性が高まります。
動物愛護団体の協力
猫の引き取り先を探す方法として、動物愛護団体に協力を依頼する方法もあります。まず、「○○市 動物愛護団体」などで検索し、近くの団体を探しましょう。
次に、団体のホームページやSNSを確認し、里親募集の支援を行っているかをチェックします。支援が可能な団体には、猫の健康状態や保護の経緯を詳しく伝え、受け入れ可能か相談しましょう。団体によっては譲渡会を開催しており、そこに参加することで新しい里親と出会える可能性が高まります。
また、一時預かり制度を利用すれば、自宅で猫を保護しながら、団体と協力して里親を探すことも可能です。このように、動物愛護団体に協力してもらうことで、猫の新しいお家を見つけるチャンスが広がります。
地域の猫ボランティアに相談
捨て猫の引き取り先を探す方法として、地域の猫ボランティアに協力を依頼するのも有効です。まず、自治体や動物病院、地元のSNSグループでTNR(捕獲・不妊手術・リリース)や里親探しを行うボランティア団体を探しましょう。
次に、団体の活動内容を確認し、捨て猫の保護や譲渡支援が可能か問い合わせます。団体には里親探しのサポートや譲渡会を開催している場合もあり、参加することで猫の新しいお家が見つかる可能性が高まります。
また、一時預かり制度を利用すれば、自宅で保護しながら里親を探すことも可能です。地域の猫保護活動と連携することで、捨て猫の命を救う道が広がります。
保健所の捨て猫を引き取りたいときのポイント

保健所や動物愛護センターの猫を引き取りたいときのポイントには以下があげられます。
- 必要な書類と手続きの流れ
- 引き取りができない場合の理由
上記のポイントを把握していると、捨て猫を保健所にスムーズに引き取ることができるでしょう。
引き取るために必要な書類と手続きの流れ
保健所で捨て猫を引き取るには、いくつかの条件を満たす必要があります。まず、引き取り希望者は身分証明書(運転免許証やマイナンバーカード)を提出し、住所や連絡先を登録します。
次に、猫の飼育環境や飼育経験についての確認が行われ、必要に応じて誓約書への署名が求められます。また、猫の健康状態に応じてワクチン接種や避妊・去勢手術の確認も重要です。
さらに、自治体によっては譲渡前講習会の受講が義務付けられている場合もあります。こうした手続きを経て、正式な引き渡しが行われます。保健所によって条件が異なるため、事前に公式サイトや窓口で確認しておくことが大切です。
引き取らせてもらえない場合の理由
保健所で猫を引き取りたいと思っても、条件を満たさないと譲渡を受けられないことがあります。まず、飼育環境が適切でない場合、引き取りを断られることがあります。例えば、ペット不可の賃貸住宅に住んでいる場合や、適切な飼育スペースが確保できない場合です。
次に、過去に動物の虐待や飼育放棄の履歴がある場合も、譲渡は認められません。また、高齢者のみの世帯や経済的に安定していない場合も、猫の終生飼育が難しいと判断されることがあります。
さらに、自治体によっては未成年や単身者への譲渡を制限していることもあります。引き取りを希望する際は、事前に保健所の条件を確認しておくことが重要です。
捨て猫の保護依頼は慎重に検討する必要がある
ここまで捨て猫を保健所に引き取ってもらうことに関する情報を解説しました。
保健所では、条件次第で捨て猫を引き取る場合もありますが、確実ではありません。場合によっては有償で動物愛護団体に引き取ってもらうほうが良いケースもあります。
動物保護団体は寄付金により活動を継続しています。今すぐに捨て猫を引き取る余裕がない人でも、無理のない範囲で寄付することで、捨て猫の命を救う保護活動を応援することはできるでしょう。という選択をした方も、寄付をすることで保護活動に貢献できます。
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