猫の病気と健康のお話
2026.02.06
2026.02.06

​​猫の健康診断|初めての健診や保護猫・シニア猫で気をつけたいポイントも解説【獣医師監修】

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猫と一緒に長く健康に暮らしていくためには、毎日の健康観察に加えて獣医師による定期的な健康診断と検査が欠かせません。

健康診断については、

「元気なのに動物病院に行く必要はあるの?」

「何歳から受けたらいい?」

「費用はどのくらい?」

といった疑問を持つ飼い主も多いのではないでしょうか。

この記事では、猫の健康診断の目的・頻度・費用の目安に加え、保護猫やシニア猫で注意したいポイントや、最近注目されている検査項目についてもわかりやすく解説します。初めて猫を迎えた方も、長く一緒に暮らしている方も、ぜひチェックしてみてください。

この記事を読むと分かること

猫の健康診断の目的と重要性

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健康診断には以下のようなメリットがあります。

  • 今の健康状態を知る
  • 健康な状態を記録として残す
  • 病気の早期発見ができる
  • 将来的に気をつけるべき病気を把握できる

飼い主ではなかなか気づきにくい異常も、動物病院での検査でわかることがあります。早くから治療や生活習慣の改善などの対処を始めることで、病気の進行を抑えたり、重症化を防ぐことができます。

健康そうな猫でも健診へ

「うちの猫は元気そうだから病院に連れていく必要はない」と考える方も少なくありません。しかし、健康に見える猫でも慢性疾患や腫瘍、歯周病などが進行していたというケースもあります。

動物病院は健康管理も重要な役割のひとつ。症状がなくても定期健診やワクチン接種で来院される方はとても多いです。

むしろ症状が出てからでは手遅れになりやすい病気も多いため、「元気なうちに」「定期的に」受診することが猫の健康を守るうえでとても効果的です。

健康診断の内容

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健康診断はいつから、どのくらいの頻度で受けたらいいのか、具体的にどのようなことをするのか、といった疑問にお答えします。

健康診断の頻度

猫の健康診断は、年齢や健康状態によって適切な頻度が異なります。

子猫(〜1歳):約2ヶ月齢で初めての健診を

生後2ヶ月ごろ、ワクチン接種に合わせて初めての健診を受けるのが一般的です。初めての健診では、体重・発育状況・先天的な異常、感染症の有無などを確認します。

成猫(1〜6歳):年に1回が目安

健康な成猫は年に1回の健康診断を受けることをおすすめします。ワクチン接種やノミ・ダニの予防薬をもらうタイミングにあわせて行うと負担が少なくなります。

シニア猫(7歳以上):半年に1回に増やす

この時期からは腎臓病や甲状腺疾患、心臓病などの慢性疾患に注意が必要なため、半年に1回の健診が望ましいです。

健康診断の項目

健康診断では、以下のような検査を行います。

  • 身体検査
  • 血液検査
  • ウイルス検査
  • 尿検査
  • 糞便検査
  • 画像診断(レントゲン・エコー)

近年注目されている血液検査の検査項目

今までは外部の検査会社に依頼していた検査項目も、動物病院で測定できるようになってきました。

  • SDMA:腎臓病のかなり早い段階から異常が出やすい指標
  • T4:甲状腺機能亢進症の診断に使用
  • NT-proBNP:心臓にかかっている負担を評価するのに使う指標

これらの項目は、特にシニア期の猫や、症状がなくても健康状態が気になる保護猫において取り入れることが推奨されます。

保護猫はできるだけ早くに健診を受ける

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保護猫は過去の生活環境やワクチン接種歴がわからない事が多く、以下のような健康上のリスクや病気を抱えていることもあります。

  • 猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ、FIV)、猫白血病ウイルス感染症などの病気
  • ノミ・ダニ、内部寄生虫などの感染
  • 皮膚病
  • 栄養不良による臓器機能の低下
  • 遺伝的・先天的な疾患

中には、他のペットや人にうつってしまう感染症もあります。保護猫は保護後できるだけ早く、他の猫と接触しないうちに動物病院で健診を受けるのが望ましいです。

健康診断の費用

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健康診断の費用は受ける検査内容や病院の設備によって異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。なお、ペット保険は健康診断には適用されないことが多く、自己負担となるのが一般的です。

内容費用目安(税込)
基本的な健診(身体・血液検査)5,000〜10,000円
ウイルス検査(FIV/FeLV)3,000〜5,000円
画像診断(レントゲン・エコー)5,000〜10,000円
SDMA・T4・NT-proBNPなどの追加検査2,000〜5,000円/項目

検査をしっかり受けたい場合は15,000〜30,000円前後を見込んでおくとよいでしょう。

動物病院が苦手な猫のための工夫

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動物病院に行くのが苦手で、大きなストレスを感じる猫もいます。特に保護猫は人や環境の変化に敏感で、キャリーに入る、移動する、診察を受けるといった一連の流れで強い緊張を感じることもあります。

動物病院が苦手な猫は次のような工夫をしてみましょう。

  • キャット・フレンドリー・クリニック(CFC)を選ぶ
  • 受診前に問い合わせる
  • 受診時の工夫を取り入れる

それぞれ解説します。

キャット・フレンドリー・クリニック(CFC)を探す

CFCとは国際猫医学会が定めた「猫に優しい診察環境」の基準を満たしている動物病院のことです。

CFC認定病院には、次のような特徴があります。

  • 猫専用の待合室や、猫だけの診察時間帯がある
  • 猫の扱いに慣れたスタッフが対応している
  • 猫の行動やストレスに配慮した診察が行われている

日本猫医学会のホームページから認定を受けている動物病院を探すことができます。

受診前に問い合わせる

健診にはエコー検査のように時間がかかるものもあるため、予約制や午前中のみ受付としている病院が多いです。受診する病院に事前に確認しておくようにしましょう。

受診時の工夫を取り入れる

飼い主から「猫が毎回大暴れするので心配」という不安もよく聞きますが、動物病院のスタッフは猫の扱いに慣れているので心配しすぎなくても大丈夫です。

それでも心配な場合は、以下のようなちょっとした工夫を取り入れることで、移動や診察がスムーズになることがあります。

猫を洗濯ネットに入れてからキャリーケースに入れる

洗濯ネットに猫を入れるのは、動物病院でもよく使われている方法です。診察中どうしても動いてしまう猫は、ネットに入れたまま注射や爪切りといった処置をすることも。猫は狭いところが好きなのでおとなしくなることが多いですが、猫が嫌がる場合は出してあげましょう。

首輪をつけて、リードを持参する

キャリーに慣れていない猫や、逃走リスクがある保護猫には、首輪+リードを使って動きをコントロールできるようにしましょう。

  • 首輪は安全バックル付きのものを使用
  • リードは短めで軽量なものを選ぶ

ただし、どちらも猫にとって慣れが必要なアイテムです。診察前に自宅で数分でも練習しておくと、当日スムーズに対応しやすくなります。

キャリーに普段から慣れさせておく

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キャリーは病院に行くためのものではなく、日常的に慣れさせておくのがおすすめです。キャリーのドアを開けたまま猫の生活スペースに置き、寝床や隠れ場所として使えるようにしておくとよいでしょう。

移動時には、タオルや毛布でキャリーを覆い、視界を遮ることでパニックを防ぎやすくなります。病院に行く前に、猫用フェロモン製品をキャリー内にスプレーしておくのも効果的です。

まとめ

猫の健康診断は、健康状態を把握するのはもちろんのこと、症状が出る前に病気を見つけ、長く元気に過ごしてもらうための大切な習慣です。健診は年に1回が目安です。シニア期に入ったら内臓機能の衰えの状態を把握するため、健診を半年に1回のペースに増やすようにしましょう。

動物病院が苦手な猫には、CFC認定病院の利用やキャリーケースの工夫などでストレスを軽くしましょう。

定期的な健康診断を通して、これからも大切な猫と安心して毎日を過ごしていきましょう。ぜひこの機会に健診を検討してみてください。

【執筆・監修】
獣医師:安家 望美
大学卒業後、公務員の獣医師として家畜防疫関連の機関に入職。家畜の健康管理や伝染病の検査などの業務に従事。育児に専念するため退職し、現在はライターとしてペットや育児に関する記事を執筆中。

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