愛猫との暮らし方
2025.12.09
2025.12.09

​​猫にフルーツを与えても大丈夫?食べられる種類と危険なものを一覧解説!

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みずみずしくて甘いフルーツを食べていると、その香りに誘われて愛猫が近寄ってくることはありませんか。「ビタミンも豊富だし、少しだけなら健康に良いかも?」なんて、ついおすそ分けしたくなりますよね。しかし、猫は私たち人間とは体の仕組みが大きく異なるため、思わぬ健康被害につながることもあります。猫に与えても良いフルーツもあれば、中毒症状を引き起こす非常に危険なフルーツも存在するためです。

この記事では、猫に与えても良いフルーツと絶対に与えてはいけないフルーツを分かりやすく一覧で紹介し、安全な与え方について詳しく解説します。

この記事を読むと分かること

そもそも猫にフルーツは必要?

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愛猫の健康を考える上で、まずは「猫にとってフルーツは必要な食べ物なのか?」という基本を理解しておくことが大切です。

猫は甘みを感じにくい肉食動物

猫は完全な肉食動物であり、生きていくために必要なたんぱく質などの栄養素を、主に肉から摂取するよう進化してきました。そのため、人間が感じるような「甘み」を感じる味蕾(みらい)がほとんどありません。猫がフルーツに興味を示すのは、味よりも香りや食感、飼い主が食べていることへの好奇心からくる行動だと考えられています。

参考:動物遺伝学研究室

水分補給以外のメリットは少ない

フルーツにはビタミンや食物繊維が豊富に含まれていますが、これらの栄養素は基本的にキャットフード(総合栄養食)にバランス良く配合されています。猫にとって、フルーツから得られるメリットは夏場の水分補給に少し役立つ程度で、積極的に与える必要のある食べ物ではありません。むしろ、糖分の摂りすぎによる肥満や糖尿病のリスクのほうが大きいことを覚えておきましょう。

猫が食べても良いフルーツ一覧

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猫に与える必要はないものの、少量であれば食べても比較的安全なフルーツも存在します。ここでは代表的なものを紹介します。

いちご

ビタミンCが豊富ないちごは、猫に与えても大丈夫なフルーツです。ただし、ヘタは消化に悪いため、必ず取り除いてから与えましょう。

りんご

食物繊維が豊富なりんごも、猫に与えることができます。しかし、芯や種には中毒を引き起こす可能性のある成分が含まれているため、必ず取り除き、果肉の部分だけを少量与えるようにしてください。

スイカ

約90%が水分のスイカは、夏場の水分補給に役立ちます。与える際は、外皮と種を必ず取り除き、赤い果肉の部分だけにしましょう。

シャリシャリとした食感が楽しい梨も、猫に与えることができます。ただし、りんご同様、芯や種は中毒の危険があるため、絶対に取り除いてください。

メロン

香り高いメロンも猫に与えて問題ありませんが、カロリーが高めなので与えすぎに注意が必要です。皮や種は取り除きましょう。

バナナ

栄養価の高いバナナですが、糖質とカロリーが非常に高いため、与える量はほんの少しにしてください。皮は消化できないため、必ずむいてから与えましょう。

柿も与えることができますが、種は大きく喉に詰まらせる危険があるほか、中毒のリスクもあるため、必ず取り除きます。また、ヘタや皮も与えないでください。

猫に絶対与えてはいけない危険なフルーツ

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次に、猫に与えると中毒症状などを引き起こす、非常に危険なフルーツを紹介します。これらは、絶対に与えないようにしてください。

危険なフルーツ主な中毒症状・危険性
ぶどう・レーズン急性腎不全を引き起こし、命に関わる。
いちじく口腔内の炎症、嘔吐、皮膚炎などを引き起こす。
柑橘類皮に含まれる成分が中毒症状や皮膚炎の原因になる。
アボカド葉・皮・種・実に含まれる成分で中毒を起こす。
ドライフルーツ糖分が凝縮されており、肥満や虫歯の原因になる。

【関連記事】知らないと危険!猫が食べると命に関わる食べ物と緊急時の対応方法

ぶどう・レーズン

猫にとって最も危険なフルーツの一つです。摂取すると急性腎不全を引き起こし、最悪の場合、死に至るケースもあります。加熱しても毒性は消えないため、パンやお菓子に含まれるものも絶対に与えてはいけません。

いちじく

いちじくの葉や茎、果肉に含まれる「フィシン」という成分が、口の中の粘膜を荒らしたり、嘔吐や皮膚炎を引き起こしたりする可能性があります。

柑橘類(レモン・みかんなど)

レモンやみかん、グレープフルーツなどの皮に含まれる精油(リモネンなど)は、猫にとって有毒です。摂取すると下痢や嘔吐、皮膚に付着すると皮膚炎を起こすことがあります。果肉も酸が強く、消化器系を刺激するため与えないほうが賢明です。

アボカド

「森のバター」とも呼ばれるアボカドですが、葉や皮、種、そして果肉にも「ペルシン」という殺菌作用のある成分が含まれており、これが猫には有毒です。嘔吐や下痢、呼吸困難などを引き起こす可能性があります。

ドライフルーツ

生のフルーツを乾燥させたドライフルーツは、水分が抜けている分、糖分が非常に凝縮されています。肥満や糖尿病のリスクを高めるだけでなく、製品によっては猫に有毒なレーズンが含まれていることもあるため、与えないでください。

猫にフルーツを与える際の4つの注意点

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安全とされるフルーツであっても、与え方には細心の注意が必要です。以下の4つのルールを必ず守りましょう。

注意1:必ず種・皮・ヘタは取り除く

多くのフルーツの種や皮、ヘタには、猫にとって有毒な成分が含まれていたり、消化不良の原因になったりします。必ず果肉の部分だけを与えるようにしてください。

注意2:細かく刻んで喉に詰まらせないようにする

猫は食べ物を丸飲みする習性があるため、大きな塊のまま与えると喉に詰まらせてしまう危険があります。必ず猫が安全に飲み込めるサイズまで細かく刻むか、すりつぶしてから与えましょう。

注意3:与える量はごく少量にする

フルーツはあくまでおやつです。与えすぎは糖分の過剰摂取となり、肥満や下痢の原因になります。1日に与える量は、大さじ1程度(ひと口程度)またはティースプーン1杯程度を目安としましょう。

注意4:アレルギーや体調変化に注意する

人間と同じように、猫にも食物アレルギーがあります。初めて与えるフルーツは、まずひとなめさせる程度から始め、食後に嘔吐や下痢、体を痒がるといったアレルギー症状が出ないか、注意深く観察してください。

【関連記事】猫の下痢 便の異常に早く気づくためのポイントや受診の目安を獣医師が解説【獣医師監修】

もし危険なフルーツを食べてしまったら

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どんなに気をつけていても、目を離したすきに愛猫が危険なフルーツを口にしてしまう事故が起こるかもしれません。その際は、慌てず冷静に対処することが重要です。

まずは落ち着いて状況を確認

まずは落ち着いて、「いつ、何を、どのくらいの量食べたか」を確認しましょう。もし食べたもののパッケージなどが残っていれば、保管しておきます。自己判断で無理に吐かせようとするのは、かえって危険なので絶対にやめてください。

すぐに動物病院に連絡を

次に、すぐにかかりつけの動物病院に連絡します。先ほど確認した「いつ、何を、どのくらいの量食べたか」という情報と、現在の愛猫の様子を正確に伝えてください。獣医師の指示に従い、必要であればすぐに病院へ連れて行きましょう。

まとめ

猫の食生活において、フルーツは決して必須の食べ物ではありません。栄養は総合栄養食のキャットフードから摂るのが基本です。もしフルーツを与えるのであれば、それはあくまで飼い主とのコミュニケーションの一環としてのおやつです。与えても良い種類を、正しい方法で、ごく少量だけ与える、ということを徹底してください。正しい知識を持つことが、愛猫を思わぬ危険から守ることにつながります。愛猫の健康と安全を第一に考え、豊かなキャットライフを送ってください。

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