愛猫との暮らし方
2025.12.02
2025.12.02

​​猫にチーズをあげても大丈夫?与える際の注意点と安全な量を解説!

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こんがり焼いたトーストの上でとろけるチーズや、おつまみのカマンベールチーズ。その芳醇な香りに誘われて、愛猫がすり寄ってきた経験はありませんか。「こんなに欲しがるなら、少しだけあげてもいいかな?」と心が揺れてしまいますよね。しかし、人間用のものを気軽に与える前に、チーズには知っておくべきいくつかのリスクが存在します。そして、ポイントさえ押さえれば、安全なコミュニケーションツールの一つにもなり得ます。

この記事では、猫にチーズを与える際の注意点や安全な量、そして人間用と猫用チーズの違いについて、分かりやすく解説していきます。

この記事を読むと分かること

結論:猫にチーズは少量ならOK、でも積極的には非推奨

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結論からお伝えすると、健康な猫に人間用のチーズを「ごく少量」与えることは、問題ではありません。しかし、猫の健康を考えると、積極的に与えることは推奨されていません。

猫にとってチーズは必須の食べ物ではない

猫は肉食動物であり、彼らに必要な栄養は、良質なキャットフード(総合栄養食)から十分に摂取できます。チーズに含まれる栄養素は、猫にとって必ずしも必要なものではなく、むしろ過剰摂取によるリスクのほうが大きいです。

与える前に知っておくべきリスク

チーズを与えることの最大の問題は、多くの猫が乳製品に含まれる「乳糖」をうまく分解できない「乳糖不耐症」であることです。また、人間用に作られたチーズは、猫にとって塩分や脂肪分が多すぎるため、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。

参考:ペット栄養学会誌, 24(1), 2021

猫にチーズを与える際の3つの主なリスク

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では、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。主に考えられる3つのポイントを見ていきましょう。

リスク1:乳糖不耐症による下痢・嘔吐

子猫は母乳に含まれる乳糖を分解するための「ラクターゼ」という酵素を持っていますが、成長するにつれてその多くが失われます。そのため、成猫が乳製品を摂取すると、乳糖を分解できずに消化不良を起こし、下痢や嘔吐といった症状を引き起こすことがあります。これが猫の「乳糖不耐症」です。

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リスク2:塩分の過剰摂取による腎臓への負担

人間が美味しく感じるように、チーズには多くの塩分が含まれています。体の小さな猫にとって、ほんのひとかけらのチーズでも、塩分の過剰摂取につながります。過剰な塩分は、心臓や腎臓に大きな負担をかけ、特に腎臓病を患っている猫や高齢の猫にとっては非常に危険です。

リスク3:高脂肪・高カロリーによる肥満のリスク

チーズは高脂肪・高カロリーな食品でもあります。少量でも習慣的に与えていると、カロリーオーバーで肥満の原因になります。肥満は、糖尿病や関節炎など、様々な病気を引き起こすリスクを高めることが知られています。

人間用のチーズを与える時の注意点

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それでも、どうしても愛猫にチーズをあげたい場合、どのような種類を選べば良いのでしょうか。人間用のチーズの中にも、比較的リスクの低いものと、絶対に避けるべきものがあります。

チーズの種類安全性主な理由
カッテージチーズ(食塩不使用)△(比較的安全)塩分や脂肪分が少なく、乳糖も低い。
モッツァレラチーズ△(比較的安全)塩分が比較的少ない。与えるなら少量。
プロセスチーズスライスチーズ×(危険)塩分が非常に多く、添加物も含まれるためNG。
ブルーチーズなどの青カビタイプ×(危険)カビが猫に有害な場合があり、塩分も高い。

与えても比較的安全なチーズの種類

もし与えるのであれば、食塩不使用・低脂肪タイプの「カッテージチーズ」や、塩分が比較的少ない「モッツァレラチーズ」を選びましょう。ただし、これらもあくまで人間用であるため、乳糖や脂肪分が含まれています。与える際は、細かく刻んでほんの少しだけ、ということを徹底してください。

与えてはいけない危険なチーズの種類

スライスチーズやプロセスチーズは、塩分が非常に多く、様々な添加物が含まれているため、猫には与えないでください。また、ゴルゴンゾーラなどのブルーチーズは、使用されているカビが猫にとって有害な場合があるため、絶対に避けましょう。

猫に与えても良いチーズの安全な量と頻度

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安全な種類のチーズであっても、与える量と頻度は厳密に管理する必要があります。

ごく少量(小さじ半分程度)に留める

猫に与えるチーズの量は、1日に小さじ半分程度が限度です。これでも、猫の体重からするとかなりの量になります。初めて与える際は、アレルギー反応や体調の変化を確認するため、さらに少ない量から試してください。

毎日の習慣にするのは避ける

「おねだりされると、ついあげてしまう」という気持ちは分かりますが、毎日の習慣にするのは絶対にやめましょう。チーズはあくまで「特別なご褒美」と位置づけ、頻度を少なくすることが大切です。

投薬の補助として使う際の注意点

薬を飲ませる際に、チーズに混ぜ込むという方法を聞いたことがあるかもしれません。しかし、薬の種類によっては、乳製品と混ぜることで効果が弱まったり、副作用が出る可能性があります。投薬の補助として使いたい場合は、必ず事前にかかりつけの獣医師に相談してください。

安心なのはやっぱり「猫用チーズ」

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人間用のチーズのリスクを考えると、最も安心して与えられるのは、ペットショップなどで販売されている「猫用チーズ」です。

猫用チーズと人間用チーズの違い

猫用として販売されているチーズは、猫の体のことを考えて作られています。人間用のものと比較して、塩分や乳糖が大幅にカットされており、猫が消化しやすいように成分が調整されています。下痢や塩分過多のリスクを大きく減らすことができます。

猫用チーズを選ぶ際のポイント

猫用チーズを選ぶ際は、原材料表示をよく確認し、添加物が少ない、国産であるなど、品質の確かなものを選びましょう。ただし、猫用であっても与えすぎは肥満の原因になります。パッケージに記載されている給与量を必ず守ってください。

もし愛猫がチーズを食べて体調を崩したら

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注意していても、目を離したすきに愛猫がチーズを食べてしまうことがあるかもしれません。もし体調に変化が見られたら、冷静に対処しましょう。

観察すべき症状と家庭での対処法

チーズを食べた後に、軽度の下痢や嘔吐、食欲不振といった症状が見られた場合、落ち着いて様子を観察します。一度きりの下痢などで元気が戻るようであれば、そのまま様子を見ても良いでしょう。

動物病院に相談すべきケース

嘔吐や下痢が何度も続く場合や、ぐったりして明らかに元気がない場合は、すぐに動物病院を受診してください。その際、「いつ、どの種類のチーズを、どのくらい食べたか」を正確に獣医師に伝えることが、迅速な診断と治療につながります。

まとめ

猫にとって、チーズは必ずしも必要な食べ物ではありません。むしろ、乳糖不耐症や塩分・脂肪分の過剰摂取といったリスクの方が大きいことを、飼い主は理解しておく必要があります。もし与えるのであれば、人間用ではなく、猫の体のために作られた「猫用チーズ」を選ぶのが最も安全です。人間用のチーズを与える場合は、種類と量に細心の注意を払い、あくまで特別なご褒美として、愛猫との楽しいコミュニケーションに役立ててください。

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