猫の病気と健康のお話
2025.11.07
2025.11.07

​​猫がくしゃみをする原因は?|病気のサインを見逃さないためのポイントを解説【獣医師監修】

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猫がくしゃみをしていても、「たかがくしゃみで病院に行くのも大げさかな」と受診を迷ってしまうこともあるかと思います。しかし、猫のくしゃみは、ウイルス感染や鼻の病気など深刻な体調不良のサインのこともあります。

この記事では、猫がくしゃみをする主な原因や考えられる病気、動物病院に行くべきタイミングなどを獣医師がわかりやすく解説します。気になるくしゃみが続いているときは、早めに病院に連れていき、原因を見極めてもらうようにしましょう。

この記事を読むと分かること

くしゃみは感染症が広まる原因にもなる

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猫のくしゃみにはさまざまな原因がありますが、ウイルスや細菌による感染症には注意が必要です。

特に複数の猫を飼っているときは、くしゃみや鼻水を介した飛沫感染、毛づくろいや食器の共有など接触感染で病原体があっという間に広がる可能性があります。

保護直後の猫や新入りの猫は特に注意

保護猫は元々野良猫であったり多頭飼育崩壊の現場からレスキューされたりする場合も少なくありません。

このような状況下で過ごしている猫は、不特定多数の猫と接している上にワクチン未接種な場合も多く、くしゃみや鼻水といった症状がある子がとても多いです。

猫のくしゃみの原因

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猫のくしゃみの原因として、以下のようなものが考えられます。

  • ウイルスや細菌による感染症
  • 異物の刺激
  • 歯のトラブル
  • 鼻のトラブル

それぞれ解説します。

ウイルスや細菌による感染症(猫風邪など)

気をつけるべき感染症には、以下のようなものがあります。

  • 猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)
  • 猫カリシウイルス感染症(FCV)
  • クラミジア症
  • マイコプラズマ感染症

これらの病気は、保護したばかりの子猫でよくみられるものです。どの病原体も感染力が強く、複数のものに同時に感染していることも多いです。

原因となっている病原体によって、以下のような症状を併発していることもあります。

  • 色のついた鼻水
  • 発熱や食欲不振などの症状
  • 口内炎、潰瘍といった口腔内の病変
  • 結膜炎などの目の症状

感染症は野良猫に多く見られますが、飼い猫でもストレスや環境の変化をきっかけに再発することもあるので気をつけましょう。

異物の刺激

ホコリや小さな草の種、砂などの異物が入ると、防御反応としてくしゃみを連発することがあります。片側の鼻からだけ鼻水が出たり、急にくしゃみを連発しはじめたりする場合は、このケースが疑われます。異物が取れた後はくしゃみは収まります。

歯のトラブル(歯根膿瘍など)

上顎の奥歯は鼻腔にとても近く、歯の根の部分に膿がたまると炎症が鼻まで広がり、くしゃみや鼻水を引き起こすことがあります。くしゃみの他に、歯肉炎や口臭など口の中の症状がある場合は口腔トラブルの可能性も疑いましょう。

鼻の中のトラブル(鼻腔内ポリープ・腫瘍など)

くしゃみが長引く場合や、血が混じった鼻水が見られるときは、鼻の中にポリープや腫瘍などの異物ができて、その刺激でくしゃみをしている可能性もあります。このケースでも病院での検査が必要です。

鼻水の色でわかる猫の健康状態

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くしゃみとともに鼻水が出ているときは、鼻水の色や状態に健康状態が反映されることがあります。

鼻水の色や状態考えられる原因
透明異物や軽度の感染症の疑い。元気があるようなら様子見でも良い。
白〜黄色、緑で濁っている細菌感染の疑い。ウイルス感染症からの二次感染や、感染が長引いていることも考えられる。
血が混じる重度の細菌感染、鼻腔内の腫瘍やポリープ、口腔内の炎症の波及などが考えられる。

猫のくしゃみQ&A

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猫のくしゃみに関する質問に回答します。

  • 猫のくしゃみにアレルギーは関係ある?
  • くしゃみを連発しているときはどう対応したらいい?
  • 動物病院へ連れていく目安は?

猫のくしゃみにアレルギーは関係ある?

動物も人と同様、花粉やハウスダストなどでアレルギー症状を起こすことがあります。ただし、人ではくしゃみ、鼻水などの呼吸器症状が多いのに対して、動物は皮膚にかゆみや赤みなどの症状が出ることが多いです。まれに呼吸器症状を起こす猫もいますが、それほど多くありません。

掃除や換気といった飼育環境の改善で症状が軽くなることも多いので、試してみてください。症状が変わらないときは動物病院に連れていきましょう。

くしゃみを連発しているときはどう対応したらいい?

猫がくしゃみを連発していたら、まず様子をよく観察して下さい。

  • 回数
  • くしゃみをするタイミング(時間帯、掃除の後など)
  • 鼻水の有無
  • 食欲や元気の有無
  • 目やに、鼻血など、くしゃみ以外の症状

くしゃみを連発したあと同じ症状が見られないなら、異物が鼻に入ったといった一時的な原因である可能性が高いです。しかし、何度もくしゃみを繰り返していたり、くしゃみ以外に症状がある場合は、感染症や腫瘍が原因であることも考えられます。その場合は動物病院に連れていきましょう。

動物病院へ連れていく目安は?

以下のような症状が見られる場合は、感染症も疑われるため動物病院で診察を受けましょう。特に、保護猫や野良猫では保護直後にこのような症状が見られるケースが多く注意して観察しましょう。

  • くしゃみが3日以上続く、または急激に悪化している
  • 鼻水に色がついたり、血が混じったりしている
  • 目やになど目の症状も起こしている
  • 元気や食欲がない
  • 咳や呼吸音の異常がある

子猫や高齢猫、ワクチン未接種の猫は重症化しやすいため、軽い症状でも早めの受診が望ましいです。

家でできる対策とケア

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くしゃみの原因になる病気を防ぐため、以下のような対策を取りましょう。

  • ワクチン接種
  • ストレスケア
  • 健康観察と定期検診

それぞれ解説します。

ワクチン接種

ワクチンは感染症の予防に有効です。保護したての猫によくみられる「猫風邪」と呼ばれる感染症は、3種混合ワクチンで予防が可能です。

保護猫にも医療的ケアを

保護猫や野良猫を迎えた際には、まずワクチンの接種歴が不明であることが多いため、動物病院で感染症の検査とワクチン接種について相談することがとても重要です。

新しく迎えた猫はワクチン接種や健康チェックが完了するまでは2週間程度の隔離期間を設けることが望ましいです。この間にくしゃみ、鼻水、目やになどの症状が出ていないかをしっかり観察しましょう。

ストレスケア

ストレスは猫の免疫機能に大きな影響を与え、潜在的に持っているウイルスを活性化させてしまうことがあります。

保護猫や野良猫は環境の変化にとても敏感で、慣れるまでに時間がかかる子も多いです。必要以上に構ったりせず、そっと見守る距離感を大切にしてください。ストレスを減らすことが健康維持にもつながります。

健康チェックと早期受診

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くしゃみや鼻水は、「よくあること」で済ませてしまいがちですが、症状が続く場合は早期に対処することが重要です。

特に感染症の場合、他の猫へ広がる前に対応することで重症化や感染の拡大を防げます。くしゃみが軽くても、他の症状と組み合わさっている場合は病気のサインである可能性も高いので、気になる症状があったら獣医師に相談してください。

まとめ

くしゃみはよくある症状だからこそ、つい見逃されがちです。ですが、以下のようなケースでは感染症などの病気の可能性もあるため注意が必要です。

  • くしゃみが3日以上続く、または頻繁に連発している
  • 鼻水も出ていて、鼻水の色が濁ったり、血が混じったりしている
  • 目やに、食欲不振、元気のなさなどくしゃみ以外の症状もある

特に、保護猫、野良猫、ワクチン未接種の猫は感染症にかかりやすく、重症化リスクも高いため早めの受診が大切です。

日頃から、

  • 感染症予防のためのワクチン接種
  • ストレスを減らす環境づくり
  • 日常的な健康チェック

を意識し、愛猫の小さなサインを見逃さないようにしましょう。

【執筆・監修】
獣医師:安家 望美
大学卒業後、公務員の獣医師として家畜防疫関連の機関に入職。家畜の健康管理や伝染病の検査などの業務に従事。育児に専念するため退職し、現在はライターとしてペットや育児に関する記事を執筆中。

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