子猫のキャットフード選び方完全ガイド!おすすめランキングと月齢別の上手な与え方

新しく子猫を家族に迎えることは、大きな喜びに満ちています。しかし同時に「どんなごはんをあげたら良いのだろう?」という責任ある悩みも生まれます。子猫の時期の食事は、生涯にわたる健康な体をつくるための非常に重要な土台です。栄養バランスが崩れると、健やかな成長が妨げられることもあります。
この記事では、初めて子猫を飼う方でも安心してフード選びができるよう、基本的なポイントからおすすめの商品、与え方まで詳しく解説していきます。大切な愛猫のために、最適なフードを見つけてあげましょう。
初めてでも安心!子猫のフード選びで押さえるべき5つの基本

子猫のフード売り場には、実に多くの商品が並んでおり、どれを選べば良いか迷ってしまいます。しかし、いくつかの基本的なポイントを押さえることで、愛猫に適したフードを見つけやすくなります。
まずは「総合栄養食」の表示を確認する
キャットフードには、主食として必要な栄養素がバランス良く含まれている「総合栄養食」と、食欲増進などを目的とした「一般食(副食)」、特定の栄養を補う「栄養補完食」などがあります。 子猫の毎日の主食には、必ず「総合栄養食」と記載されたフードを選んでください。 これと新鮮な水さえあれば、子猫の成長に必要な栄養を過不足なく摂取できます。 パッケージの目的欄などを確認し、「総合栄養食」の表示があることを第一条件としましょう。
月齢に合った「子猫用(キトン)」を選ぶ
猫はライフステージ(成長段階)によって必要とする栄養バランスが異なります。特に生後12ヶ月までの成長期は、骨格や筋肉、内臓などが急速に発達する極めて重要な時期です。
このため、成猫用フードに比べて高タンパク・高カロリーに設計された「子猫用」または「キトン」と表示されたフードを選ぶ必要があります。 必ず対象年齢を確認し、愛猫の月齢に合ったものを選びましょう。
主原料が良質な動物性タンパク質であるかチェックする
猫は本来肉食動物であり、その体の構造は動物性タンパク質の消化に適しています。そのため、フードの主原料(原材料表記の一番最初に記載されているもの)が、チキン、ターキー、魚といった良質な動物性タンパク質であることが理想的です。
「ミートミール」や「肉副産物」といった表記は、どの部位が使われているか不明確な場合があるため、できれば「骨抜きチキン」や「サーモン」のように、具体的な原材料名が記載されているフードを選ぶとより安心です。
原材料表記の良い例 | 注意が必要な可能性のある表記 |
チキン、サーモン、ラム | 肉類、家禽ミール |
鶏肉、まぐろ、かつお | 〇〇副産物 |
乾燥チキン、乾燥サーモン | 着色料、香料 |
子猫が食べやすい粒の大きさや形状で選ぶ
子猫はまだ顎や歯が小さく、食べる力も強くありません。そのため、大きすぎたり硬すぎたりするフードは食べにくく、食欲不振の原因になることがあります。
多くの「子猫用」フードは、子猫が食べやすいように小粒で、ふやかしやすいように工夫されています。初めて購入する際は、粒の大きさを確認できるサンプルや小袋の製品から試してみるのも良い方法です。
人工の添加物が少ない安全なフードを選ぶ
キャットフードには、品質を保持するための酸化防止剤や、嗜好性を高めるための香料などが含まれていることがあります。これらの添加物のすべてが悪いわけではありませんが、中にはアレルギーの原因となる可能性が指摘されるものもあります。
愛猫の健康を第一に考えるなら、できるだけ不要な人工着色料、合成香料、合成保存料などが使用されていない、シンプルな原材料のフードを選びましょう。
ドライとウェットはどう違う?子猫用フードの種類と特徴

子猫用フードには、カリカリとした食感の「ドライフード」と、水分を多く含んだ「ウェットフード」の2種類が主流です。それぞれにメリットとデメリットがあるため、特徴を理解して上手に使い分けることが大切です。
主食として最適なドライフードの利点と注意点
ドライフードは水分量が10%程度と少なく、栄養が凝縮されているのが特徴です。保存性に優れ、価格も比較的安価なものが多いため、毎日の主食に適しています。また、硬い粒を噛むことで、歯垢が付きにくくなるというメリットもあります。
ただし、水分量が少ないため、あまり水を飲まない猫の場合は、意識的に水分補給をさせる工夫が必要です。
食欲増進や水分補給に役立つウェットフードの利点と注意点
ウェットフードは水分量が75%以上と豊富で、肉や魚の風味が強いため嗜好性が高いのが魅力です。食欲が落ちている時や、なかなか水を飲んでくれない子猫の水分補給に役立ちます。
一方で、ドライフードに比べて価格が高く、開封後の長期保存ができない点がデメリットです。また、歯に付着しやすいため、デンタルケアをより意識する必要があります。
フードタイプ | メリット | デメリット |
ドライフード | 栄養価が高く、保存性に優れる。歯垢が付きにくい。 | 水分補給が別途必要。 |
ウェットフード | 嗜好性が高く、水分補給がしやすい。 | 価格が高め。開封後は保存がきかない。歯に付着しやすい。 |
目的や状況に応じた上手な使い分け方法
基本の主食は栄養バランスとコストパフォーマンスに優れたドライフードとし、食欲がない時やご褒美、水分を多く摂らせたい時などにウェットフードをトッピングする、といった使い分けがおすすめです。
また、離乳したばかりで硬いものが食べにくい時期には、ドライフードをお湯でふやかして与え、徐々にウェットフードを混ぜて慣らしていくのも良い方法です。
子猫におすすめのキャットフード10選

ここでは、これまで解説した選び方のポイントを踏まえ、おすすめの子猫用キャットフードを、ドライとウェットの部門に分けてご紹介します。
【ドライフード部門】人気おすすめ5選
- ニュートロ ナチュラルチョイス 室内猫用 キトン チキン: 厳選した自然素材を使用し、子猫の健康な発育をサポートします。ふやけやすい粒で、離乳期の子猫にも与えやすいのが特徴です。
- ヒルズ サイエンス・ダイエット キトン: 高品質な魚油由来のDHAが、子猫の健康的な脳と目の発育を助けます。適切なミネラルバランスで、骨と歯の成長もサポートします。
- ロイヤルカナン キトン: 成長後期(生後4ヶ月〜12ヶ月)の子猫の消化器官の健康維持に配慮し、消化性の高いタンパク質とプレバイオティックスを配合しています。
- ピュリナワン キャット 1歳までの子猫用: 新鮮なチキンを主原料とし、良質なタンパク質を豊富に含みます。母乳に含まれるDHAも配合されており、健康な体の発達を支えます。
- モグニャンキャットフード: 新鮮な白身魚を65%も使用したグレインフリー(穀物不使用)フード。猫本来の食事に近く、アレルギーにも配慮したい飼い主におすすめです。
【ウェットフード部門】人気おすすめ5選
- カルカン パウチ 12ヶ月までの子ねこ用: 小さめのフレークをゼリー仕立てにしており、子猫が食べやすいように工夫されています。成長期に合わせて栄養バランスが調整された総合栄養食です。
- シーバ リッチ 12か月までの子ねこ用: 細かいフレーク状で、とろみのついたやわらかな仕立てが特徴です。魚の旨味を凝縮し、嗜好性も抜群です。
- アイシア 黒缶 パウチ 子ねこ用: まぐろとかつおの赤身肉をベースに、DHAやタウリン、カルシウムを配合。子猫の成長をサポートするペーストタイプの総合栄養食です。
- 銀のスプーン パウチ 健康に育つ子ねこ用: まぐろ・かつおをベースに、DHAを配合。子猫の健康維持による免疫力の維持をサポートします。
- ネスレ ピュリナワン キャット パウチ 1歳までの子ねこ用: 食べやすい小さめフレークで、子猫の骨格や筋肉の成長をサポート。猫本来の免疫力維持にも配慮されています。
子猫の成長段階別!フードの量と与え方のガイド

子猫の食事は、1日に必要な量を数回に分けて与えるのが基本です。成長段階に応じて、食事の回数や内容を調整していきましょう。
離乳期(生後1ヶ月~2ヶ月)の与え方
母乳やミルクから固形食へ移行する大切な時期です。最初はドライフードをぬるま湯でふやかし、ペースト状にしたウェットフードを少し混ぜるなどして、食べやすい状態にして与えます。1日の食事回数は5〜6回に分け、消化器官に負担がかからないようにします。
成長前期(生後2ヶ月~6ヶ月)の与え方
最もエネルギーを必要とし、体がぐんぐん大きくなる時期です。高タンパク・高カロリーな子猫用フードを、1日に3〜4回に分けて与えます。この頃から、徐々にふやかす水分量を減らし、ドライフードをそのまま食べられるように慣らしていきます。
成長後期(生後6ヶ月~12ヶ月)の与え方
成長のスピードは緩やかになりますが、体の中では筋肉や骨格がしっかりと作られていきます。肥満に注意しつつ、パッケージに記載された給与量を目安に、1日2〜3回の食事にします。避妊・去勢手術を行った場合は、消費カロリーが変化するため、獣医師に相談しフードの種類や量を見直しましょう。
成長段階 | 1日の食事回数 | フードの状態 |
離乳期(1~2ヶ月) | 5~6回 | ふやかしたドライフード、ウェットフード |
成長前期(2~6ヶ月) | 3~4回 | ふやかしたフードからドライフードへ移行 |
成長後期(6~12ヶ月) | 2~3回 | ドライフード中心 |
成猫用フードへの切り替え時期と方法
生後12ヶ月を過ぎたら、成猫用フードへの切り替えを検討します。急にフードを変えると、お腹を壊したり食べなくなったりすることがあるため、1〜2週間かけてゆっくりと切り替えましょう。
今までのフードに新しいフードを少量混ぜ、毎日少しずつ新しいフードの割合を増やしていくのがポイントです。
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こんな時どうする?子猫のフードに関するお悩みQ&A

子猫の食事に関して、飼い主が抱えやすい疑問についてお答えします。
Q. 子猫が急にフードを食べなくなりました
A. まずは元気や食欲、排泄物の状態など、体調に変化がないか確認してください。もしぐったりしているなど、普段と違う様子があれば、すぐに動物病院を受診しましょう。体調に問題がなさそうな場合は、フードに飽きてしまった、または環境の変化によるストレスなどが考えられます。ウェットフードをトッピングして風味を変えたり、静かで安心できる食事環境を整えたりするなどの工夫を試してみてください。
Q. フードの袋に記載された給与量は正しいですか?
A. パッケージに記載されている給与量は、あくまで一般的な目安です。猫の体重、体型、運動量、避妊・去勢手術の有無によって、必要なエネルギー量は個々に異なります。愛猫の体型を定期的にチェックし、肋骨が触れるか、ウエストにくびれがあるかなどを確認しながら、量を微調整することが大切です。判断に迷う場合は、獣医師に相談しましょう。
Q. アレルギーが心配な場合はどんなフードがいいですか?
- 猫の食物アレルギーの原因は、牛肉、乳製品、魚などのタンパク質であることが多いと言われています。もしアレルギーが疑われる症状(皮膚のかゆみ、脱毛、下痢、嘔吐など)が見られる場合は、まず動物病院で診察を受けることが重要です。その上で、アレルギーの原因となりやすい穀物を使用しない「グレインフリー」のフードや、タンパク源を1種類に限定したフード、獣医師が処方する療法食などを試すことになります。自己判断でフードを変更するのではなく、必ず専門家のアドバイスを受けましょう。
まとめ:愛猫に最適なフードを選んで健やかな毎日を
子猫のフード選びは、愛猫の将来の健康を左右する重要なステップです。今回の記事でご紹介した「総合栄養食を選ぶ」「月齢に合わせる」といった基本を押さえれば、数多くの商品の中からでも、きっと愛猫に合ったフードを見つけ出すことができます。何よりも大切なのは、飼い主さんが愛猫の様子を日々観察し、その子に最適な食事を与えられるように心を配ることです。この記事が、あなたの愛猫の健やかな成長のサポートになれば幸いです。
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