【猫のしぐさ大辞典|しっぽ編】
「あってもなくても猫のしっぽ」なんてことわざもありますが、とんでもない! 猫のしっぽはなくてはならない、かわいくて魅力的なパーツですよね。長くてゆらゆら揺れるしっぽも、短くてぴょこぴょこ動くしっぽも、愛猫家の心を惹きつけてやみません。
今回の猫のしぐさ大辞典は、その“しっぽ”にフィーチャー。秋の空のように変わりやすい猫心を知るヒントが、しっぽの動きには詰まっています。
猫のしっぽの動きにはどんな意味があるのでしょう? この記事では代表的なしぐさを解説します。
そもそも“しっぽ”は何のため?

猫にとってしっぽは、身体のバランスをとるために重要なパーツ。高くて足場の悪いところでも平気で歩けるのは、しっぽで微妙なバランスを調整しているからなのです。
そしてしっぽのもうひとつの重要な役割が、感情表現。
猫たちは、ヒゲや全身の姿勢でも気持ちを表現していますが、遠くからでも確認しあえるしっぽは、重要なコミュニケーションツールなのです。猫のシルエットの絵を見せると、友好的なしっぽのシルエットにはよく近付く――という研究結果もあるのだとか。
しっぽの長さは猫によってさまざまですが、長いしっぽの猫なら、「尾椎」という骨が20個程度並んでいます。この骨は脊椎につながっていて、しっぽの先まで神経が通っているので、しなやかに動かせるのですね。
仔猫の頃を思い出す甘えんぼポーズ

猫がしっぽを垂直にピンと立てていたら、そのときの気持ちはズバリ「大好き!」。親愛を示すポーズです。
このポーズの由来は、仔猫時代の習慣。仔猫は最初の頃、自分だけではうまく排泄できないため、しっぽを上げて母猫におしりをなめてもらいます。そのポーズが、母猫に近付くときのポーズとして定着し、親愛の感情と結びつくと考えられています。
つまり、あなたに向かって愛猫がしっぽを立てて近寄ってきたら、ママと同じくらいあなたのことが大好きというしるし。「好き」だけでなく、「甘えたいな~」という気持ちも含まれているかもしれませんね。
このポーズは、他の猫に対して「敵意はありませんよ」と、離れたところから示すときにも大活躍。仲良しの猫同士のあいさつでは、しっぽを立てて近付き、顔や体のニオイを嗅ぎ合って、全身をスリスリ。おしりのニオイを嗅ぎ合ったり、しっぽまで絡めることもありますよ。
猫のしっぽが震えるのはなぜ?

しっぽをピンと立てるのは「大好き!」のしるしですが、そのしっぽに電気が走るようにビリビリと震えたら、それは嬉しくて興奮している証拠です。
つまり「嬉しすぎる~!」という意味。
これが見られるのは、仲良しな猫と久しぶりに再会したときや、大好きなごはんやおやつをもらったときなど。また、しっぽを震わせながら飼い主に近付くときは、「遊んで! 構って!」というサイン。ご機嫌な愛猫とたっぷり遊べる、ボーナスタイムです。
「怖いけど強いんだぞ!」のたぬきしっぽ

さてお次は、しっぽを立てているけれど、たぬきみたいにしっぽが膨らんでいる状態。これは攻撃心と恐怖心の両方が強いとき。もしかしたら、軽くパニックを起こしているかもしれません。
毛が逆立っているのは、少しでも自分を大きく見せるため。つまり、怖いけど「自分は強いんだぞ!」と、相手をせいいっぱい威嚇しているのですね。ケンカのときに見られることが多いポーズです。
また、何かの拍子に激しく驚いたとき、反射的にしっぽが膨らむことも。そんなときは、安心させてあげましょう。
ゆらゆらしっぽはリラックスモードの証

リラックスしているときの猫のしっぽは、自然に下へ伸びています。そこからゆらゆらとしっぽ全体を揺らし始めたら、モードチェンジの前触れ。「次は何をしようかな~」と考え中のようです。
また、しっぽ全体が少し持ち上がってゆるいカーブを描いていたら、「あれは何だろう?」と興味を惹かれている状態。
どちらのときも、しっぽ全体にそこまで力はこもっておらず、動きもゆっくりなはず。気持ちは動いていますが、あくまでリラックスモードと言えるでしょう。
ワクワク? モヤモヤ? 動きの速さで見極めて

同じ“興味を惹かれている”気持ちでも、より興奮が強いときは、しっぽの先だけがピクピクと小刻みに動きます。「気になる! ワクワクする!」という感じでしょうか。
この動きは獲物を狙うときに見られることも。愛猫がおもちゃで遊んでいるとき、このしぐさを見掛ける飼い主も多いのでは?
ただし、しっぽの先だけを“ゆっくり”動かしていたら、それはまだ様子見モード。「気になるけど、どうしようかな?」という気持ちです。「ちょっとうっとうしいな」という、モヤモヤ気分のことも。
もし抱っこされているときにこの動きが出てきたら、「気持ちいいけど、そろそろ離してほしいかも……」という気分の表われかもしれません。怒らせてしまわないよう、様子をよく観察してくださいね。
しっぽ太鼓はイライラ警報サイン

イライラ度が高まってくると、先端だけだった動きは、しっぽ全体に広がってきます。
しっぽの付け根から全体を左右にパタパタ振り出したら、イライラ気味の「どうしようかな~」。強めの葛藤を感じている証拠で、例えば抱っこされているときにこの動きが出てきたら、「もう離してほしいのにな」というレベル。
さらに葛藤が強まると、しっぽ全体をムチのように大きく水平にブンブン振る動きに。これはもう「あー、イライラする!」という状態。座った状態だと、床に当たってバンバン音がするほどです。
この状態になったら、攻撃モードはもう目の前。すぐにイライラの原因を取り除いたほうが良さそうです。
強気のアーチ! 威嚇とテンションMAXの合図

撃心や恐怖心が出てくると、猫のしっぽは付け根から変化が現れます。
攻撃モードの初期は、しっぽの付け根だけが水平になり、その先は下へと伸びています。そのモードが徐々に進むと、しっぽ全体が逆Uの字に。強気で威嚇している状態です。
ちなみに、「ケンカしているわけでもないのに、逆Uの字になっている」という場合は、遊びで興奮しているしるし。「楽しい!!」とテンションMAXになっている証拠です。
威嚇しながらも、恐怖心がさらに強まると、先ほど登場した“たぬきのしっぽ”状態になりますよ。
降参ポーズでケンカを回避する知恵

一方、恐怖心が強くて弱気のときは、しっぽは後ろ足の間に。しっぽだけでなく耳を寝かせたり、うずくまったりというしぐさとセットで見られるポーズ。こうして全身を縮めて小さく見せることで、「攻撃しないで……!」と訴えているわけです。
明らかに自分より強い相手と会ったときは、最初からこのポーズに。敵意がないことを伝えることで、無用なケンカを回避しているのです。このポーズをとられたら、攻撃しないという暗黙のルールもあるのだとか。
ケンカで片方がこの状態になったら「降参!」のサイン。人間に向かってこのポーズをしているときは、無理に近づかずにそっとしておいてあげましょう。
しっぽは、猫の素直な気持ちや反応が出る、コミュニケーションに大切なパーツ。あなたも愛猫の“しっぽ語”を解読して、もっと仲良くなってみませんか?
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