「猫 飼うんじゃなかった」と感じる5つの理由と後悔しないための対策法

「猫を飼うんじゃなかった」と思うことがある飼い主は少なくありません。しかし、そのほとんどは愛情が深いからこそ感じる気持ちです。猫との暮らしで生じる問題には、適切な対処法があります。本記事では、猫を飼って後悔する主な理由と、その解決策を詳しく解説します。思い悩んでいる方も、これから猫を迎える方も、猫との生活をより良くするヒントを見つけてください。
「猫を飼うんじゃなかった」と感じる5つの主な理由

猫を飼って「後悔した」と感じる瞬間、多くの飼い主に共通する理由があります。これらの感情を理解することで、より良い対策が見えてくるでしょう。
愛着が強すぎて別れが怖い
「飼うんじゃなかった」と感じる最も多い理由は、実は「猫が好きすぎるから」です。猫との絆が深まれば深まるほど、いつか訪れる別れを想像すると胸が締め付けられるような感覚に襲われます。「猫なんて飼うんじゃなかった」という言葉の裏には、「別れるのがこれほど辛いなら、いっそ出会わなければよかったと思うくらい、猫が愛おしい」という気持ちが隠されています。
猫の平均寿命は15年程度です。人間と比べると確かに短いですが、その分濃密な時間を共有できるとも言えます。別れの不安に支配されるのではなく、今この瞬間を大切に過ごすことが、目の前にいる猫を幸せにすることにつながるのではないでしょうか。
家具や壁が傷つけられる現実
「家を綺麗に保ちたい」という願いと、猫の本能的な行動は時に相反します。特に爪とぎは、猫にとって自然な行動であるにもかかわらず、家具や壁を傷つけてしまうことで飼い主を悩ませます。
猫の飼い主の悩みで多く見受けられるのが「家具を爪で傷つける」という問題でした。これはあなただけの悩みではありません。また、抜け毛や吐き戻し、砂の飛び散りなども、家の美観を損ねる原因になります。
しかし、これらの問題には効果的な対策があります。猫の習性を理解し、適切な環境を整えることで、トラブルの多くは軽減できるのです。後ほど具体的な解決策を解説します。
猫中心の生活による自由の制限
猫を飼う前の自由な生活と比べると、確かに制約は増えます。特に下記のような変化に戸惑う方は多いようです。
- 朝早く起こされることがある
- 外出や旅行の制限を感じる
- 来客時の気遣いが増える
- 生活空間が猫グッズで占領される
「猫中心の生活に疲れた」という声も聞かれますが、これは飼い主としての責任感の表れでもあります。愛猫のためを思えばこそ、自分の行動に制限をかけていることに気づくと、少し気持ちが楽になるかもしれません。
予想以上の経済的負担
猫の飼育には予想以上の費用がかかります。一般的な猫の生涯費用は150万円〜500万円程度と言われています。この金額に驚く方も多いでしょう。
特に予期せぬ病気やケガの治療費は、一度に数十万円かかることもあります。経済的な不安を感じる方は、積立預金やペット保険への加入も検討してみてはいかがでしょうか。
【関連記事】『保護猫』を飼いたい方必見!費用や譲渡の流れと注意点を紹介!
掃除や世話の日常的な疲労
毎日の猫砂の掃除や抜け毛の処理、餌やりなど、日々の世話は地味ながらも継続的な労力を必要とします。特に共働きや育児中の家庭では、この負担が思った以上に大きく感じられることがあります。
「猫の育児ノイローゼ」という言葉があるように、世話に疲れ果てて心身の不調を訴える飼い主もいます。特に以下のような症状が出たら要注意です。
- 眠れない・寝つきが悪い
- 食欲が出ない
- 胃や胸が痛くなる
- 猫に会うのが憂鬱になる
このような状態になったら、一人で抱え込まず、家族や友人、あるいは専門家に相談することが大切です。
猫を飼うのに向いていない人の特徴

「猫 飼うんじゃなかった」と後悔しないためには、自分が猫との暮らしに向いているかどうかを事前に見極めることも重要です。以下の特徴に心当たりがある方は、猫を飼う前によく考えることをおすすめします。
清潔な空間を絶対に維持したい人
猫は本能的に爪とぎをしますし、換毛期には大量に毛が抜けます。また、トイレの砂を散らかしたり、時には吐き戻しをしたりすることもあります。完璧に清潔な空間を維持することは、猫と暮らす上では現実的ではありません。
「少しくらいの乱れは気にしない」「愛猫のためなら多少の手間も惜しまない」という気持ちがある方のほうが、猫との暮らしを楽しめる可能性が高いでしょう。
頻繁に家を空ける生活スタイルの人
出張や旅行が多い方は、猫との暮らしに苦労するかもしれません。猫は犬と違って散歩の必要はないものの、長時間の留守番は精神的ストレスになることがあります。
特に若い猫や甘えん坊の猫の場合、飼い主の長時間不在によって問題行動を起こすこともあります。定期的に2〜3日以上家を空ける生活がある場合は、猫よりも他のペットのほうが向いているかもしれません。
長期的な責任を負うことに不安がある人
猫の平均寿命は15年程度ですが、なかには20年以上生きる猫もいます。その間、一貫して適切なケアと愛情を提供し続ける覚悟が必要です。
「数年後にはどうなっているかわからない」「将来の生活設計が不透明」という方は、長期的なコミットメントが必要な猫の飼育には向いていないかもしれません。まずは保護猫カフェで猫と触れ合うなど、別の形で猫との関わりを持つことを検討してはいかがでしょうか。
アレルギー体質の人
猫アレルギーは、想像以上に生活の質を低下させることがあります。アレルギー症状の例としては、以下のようなものが挙げられます。
- くしゃみや鼻水
- 目の充血やかゆみ
- 皮膚の発疹やかゆみ
- ぜん息様症状
アレルギー体質の方は、事前に医師に相談したり、一時的に猫と過ごす機会を設けたりして、症状の程度を確認することをおすすめします。症状が軽微であれば共存できる場合もありますが、重度のアレルギーがある場合は、残念ながら猫との暮らしは適していないでしょう。
猫の気まぐれな性格を受け入れられない人
猫は犬とは異なり、飼い主の言うことを必ずしも聞くわけではありません。自由気ままで、時には飼い主の期待に応えないこともあります。このような猫の本質的な性格を理解し、受け入れられるかどうかも重要なポイントです。
「言うことをきちんと聞いてほしい」「自分のペースで接してほしい」という方は、猫よりも他のペットのほうが向いているかもしれません。猫との暮らしでは、猫のペースに合わせる柔軟性が求められるのです。
「猫を飼うんじゃなかった」と感じたときの対処法

猫との暮らしで悩んだり、後悔したりする気持ちは自然なものです。しかし、多くの問題は適切な対処法によって改善できます。ここでは、具体的な解決策をご紹介します。
環境改善で解決できる問題
猫の問題行動の多くは、環境の改善によって解決できます。特に爪とぎや家の汚れに関する悩みは、適切なグッズと環境整備で大幅に軽減できるでしょう。
爪とぎ対策としては、まず猫が好む素材の爪とぎを複数設置することが効果的です。段ボール、麻、木など、異なる素材の爪とぎを用意すると、猫の好みに合ったものを見つけやすくなります。また、爪とぎの高さも重要で、体を伸ばしながら爪とぎができる縦型のものも用意するとよいでしょう。
抜け毛対策には、定期的なブラッシングが最も効果的です。特に換毛期には1日1回のブラッシングを習慣にすることで、部屋中に毛が飛び散る量を大幅に減らせます。また、掃除機能付きのブラシやコロコロクリーナーを常備しておくと、日々の手入れが楽になります。
猫砂やトイレの臭い対策としては、消臭効果の高い猫砂を使用するほか、トイレの設置も換気ができる場所にするなど工夫しましょう。一般的には、猫1匹に対してトイレは2つ用意するのが理想的です。また、定期的な清掃はもちろん、時々トイレ本体も丸洗いすることで臭いの蓄積を防ぐことができます。
【関連記事】野良猫にトイレを覚えさせる方法は?しつけのポイントや必要な準備も解説!
コミュニケーション改善で絆を深める方法
猫との関係に悩む方は、コミュニケーション方法を見直すことで状況が改善することもあります。猫は人間とは異なるコミュニケーション方法を持っているため、その特性を理解することが大切です。
まず、猫に対して強制的なスキンシップは避けましょう。猫が自分から近づいてくるのを待ち、リラックスしている様子を見せたら優しく撫でるという方法が効果的です。特に初めて触れる際は、猫の頭や顎の下など、猫が気持ちよく感じる部位から始めるとよいでしょう。
また、猫との適切な遊び方も重要です。猫は狩猟本能を持つ動物なので、その本能を満足させる遊びが好きです。紐のおもちゃや動くボールなどを使って、1日10〜15分程度の遊びの時間を設けると、猫のストレス発散になるだけでなく、飼い主との絆も深まります。
猫の行動心理を理解することも大切です。例えば、猫が目をゆっくり閉じて開くしぐさ(スローブリンク)は信頼のサインです。飼い主も同じように目をゆっくり閉じて開くと、「あなたを信頼しています」というメッセージになります。このような猫特有のコミュニケーション方法を学び、実践することで関係性が改善するケースも多いのです。
経済的負担を軽減する知恵
猫の飼育に関わる経済的負担は、工夫次第でかなり軽減できます。特に日常的なケアに関わるコストは、賢い選択で大幅に節約が可能です。
まず、予防医療の重要性を理解しましょう。定期的な健康診断やワクチン接種に費用をかけることで、将来的に大きな病気やトラブルを予防できます。特に若いうちからの健康管理は、高齢になってからの医療費を抑える効果があります。
次に、ペット保険の活用も検討してみてください。月々の保険料は数千円程度ですが、大きな病気やケガの際には数十万円の治療費が数万円で済むこともあります。特に複数の猫を飼っている家庭や、純血種の猫(病気のリスクが高い場合がある)を飼っている場合は、保険に加入するメリットが大きいでしょう。
日用品や食事に関しても、選択肢があります。例えば、猫砂は大容量パックのほうが単価が安くなることが多いですし、フードも定期購入やまとめ買いで割引が適用されることがあります。また、おもちゃなどは手作りすることで費用を抑えることも可能です。
ただし、食事の質を下げることは健康リスクにつながるため、適切な栄養バランスのフード(総合栄養食)を選ぶことは妥協しないようにしましょう。
猫との暮らしから得られるかけがえのないメリット

「猫 飼うんじゃなかった」と思うことがあっても、猫との暮らしには数多くの素晴らしいメリットがあります。これらを再認識することで、猫との関係をより良好に保つことができるでしょう。
心の安定と癒し効果
猫と暮らすことによる最大のメリットのひとつは、精神的な癒し効果です。アニコム損保保険株式会社の調査によれば、実に99.7%の飼い主が「猫と暮らし始めて幸福度が上がった」と回答しています。
猫のゴロゴロ音(ファーリング)には、人間の心拍数や血圧を下げる効果があるという研究結果もあります。また、猫を撫でる行為は、人間の体内でオキシトシンという幸福ホルモンの分泌を促進するとも言われています。
ストレスの多い現代社会で、猫との触れ合いは貴重な癒しの時間となり、日々の疲れを癒やし、心の安定をもたらしてくれるのです。
飼い主自身の成長の機会
猫を飼うことは、飼い主自身の成長にもつながります。責任感や忍耐力、思いやりの気持ちなど、多くの面で人間的成長を促す機会となるのです。
例えば、毎日決まった時間に餌を与え、トイレを掃除するという習慣は、規則正しい生活リズムを作るきっかけになります。また、猫の健康管理を通じて、予防医療の重要性や健康に関する知識を深めることもできるでしょう。
さらに、猫の気持ちを理解しようとする過程で、相手の立場に立って考える力や観察力も養われます。これらのスキルは、人間関係においても大いに役立つものです。
家族の絆が深まる体験
複数人で猫を飼っているご家庭では、猫の存在が家族の絆を深める触媒となることがあります。猫の世話や愛情を共有することで、家族間のコミュニケーションが増え、共通の話題や喜びをもたらしてくれます。
特に子どもにとっては、猫の世話を通じて生命の尊さや責任感を学ぶ貴重な機会となります。また、高齢者にとっては、猫との暮らしが生きがいや日常の楽しみにつながることも多いです。
猫は家族の一員として、喜びも悩みも共有しながら成長する、かけがえのない存在なのです。
どうしても飼い続けることが困難になった場合の選択肢

さまざまな努力をしても猫との暮らしを続けることが困難になる場合もあります。そのような状況では、猫のためにも、飼い主自身のためにも、適切な選択肢を検討することが重要です。
一時的な預かり先の検討
一時的な事情で猫の世話が難しくなった場合は、短期間預かってくれる場所を探すことも選択肢のひとつです。
ペットホテルは専門のケア施設で、短期間であれば安心して預けられる場所です。料金は地域や施設によって異なりますが、一般的に1泊2,000円〜5,000円程度かかります。事前に見学し、清潔さや設備をチェックするとよいでしょう。
信頼できる友人や家族に一時的に預かってもらうという選択肢もあります。この場合、猫のフードや猫砂、お気に入りのベッドなども一緒に預けると、猫のストレスが軽減されるでしょう。
また、ペットシッターというサービスもあります。飼い主の家に訪問して餌やりやトイレ掃除をしてくれるサービスで、猫が環境の変化にストレスを感じにくいというメリットがあります。
責任ある新しい飼い主探しの方法
どうしても飼い続けることができない場合は、新しい飼い主を探すという選択肢もあります。その際は、猫の幸せを第一に考えた責任ある方法で進めることが大切です。
まずは友人や知人、SNSなどを通じて直接新しい飼い主を探す方法があります。この場合、相手の生活環境や猫に対する知識、飼育経験などをしっかり確認することが重要です。また、トライアル期間を設けて猫との相性を見ることも良い方法です。
保護猫カフェや動物愛護団体に相談するという方法もあります。これらの団体は新しい飼い主募集のノウハウを持っており、適切な新しい飼い主を見つける手助けをしてくれるでしょう。ただし、団体によっては引き取りに条件があったり、費用がかかったりする場合もあるため、事前に確認が必要です。
なお、どのような事情があっても、猫を路上に遺棄することは絶対に止めてください。これは動物愛護法違反となる行為です。必ず責任ある形で新しい飼い主を見つけるか、専門の機関に相談するようにしましょう。
相談できる専門機関や団体
猫との暮らしで悩んだときに相談できる専門機関や団体もあります。一人で抱え込まず、専門家の助けを借りることも大切です。
地域の動物愛護センターや保健所では、飼育相談や譲渡に関する情報提供を行っています。また、各地域には動物愛護団体やボランティア組織があり、飼育相談や一時預かり、新しい飼い主探しなどをサポートしてくれる場合もあります。
動物病院に相談するのも有効な方法です。問題行動への対処法や健康管理のアドバイスを受けられるだけでなく、状況によっては行動専門の獣医師を紹介してもらえることもあります。
インターネット上にも、猫の飼い主同士が情報交換するコミュニティがあります。同じような悩みを持つ飼い主との交流は、精神的な支えとなるだけでなく、具体的な解決策を見つける手がかりにもなるでしょう。
【関連記事】『野良猫』の保護はどこに依頼するべき?相談できる団体と注意点を解説
まとめ:「猫を飼って良かった」と思えるための心の持ちよう
「猫を飼うんじゃなかった」と感じることは、多くの飼い主が経験する自然な感情です。しかし、適切な知識と対策があれば、ほとんどの問題は解決または軽減できます。猫との暮らしで得られる喜びや癒しを思い出し、今日からできる小さな工夫を始めてみませんか。そうすることで、きっと「猫を飼って良かった」という気持ちを再確認できるはずです。
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